どうも.tk89naviです.
当ブログでは開幕直前から新人王を予想し,
今年のプロ野球は新人王有資格者を中心に見ております.
恒例となった新人王有資格者を追う回も開幕から1/3の試合数を消化したことで
新人王を誰が獲得するのかある程度見通せるようになってきました.
今回は第2回の”新人王レースの現状をまとめる回"ということで,
少しだけ絞り込んでみようと思います(第1回はこちら).
※以下,敬称略
目次
1.残り試合からの逆算
8/11終了時点で12球団全てが40試合以上を消化し,
残り試合は80試合を切ってきた(今年のプロ野球は120試合制).
当ブログでは今年の新人王獲得の目安として,
先発投手は8勝,リリーフ投手(勝ちゲームでの登板必須)で40試合以上登板防御率1点台,
野手については.270で100安打と読んでいるが,
ここでは投手と野手をわけて少し掘り下げる.
まずは投手について.
残り試合数から想定すると,先発投手であれば概算で14試合前後,
リリーフ投手であれば最大でも40試合前後の登板が見込める状況である.
これが多いようで少なく,
特に一軍未出場の選手にとってはかなり厳しい状況になった.
先発投手であれば8月中にポッと登板機会が与えられ,
そこからローテを守り結果8勝~10勝できれば新人王候補として勿論土俵に乗ってくるが可能性としてはかなり低いだろう.
リリーフ投手についてもホールド・セーブが付く重要な場面をいきなり任されることは稀であり,
まずは大幅に勝っているか大幅に負けている場面での登板で様子を見ることが予想される.
勝ちパターンに入ることの難しさ,そもそもリリーフ投手が新人王を獲得しづらい現状を踏まえると,
一軍未出場のリリーフ投手が残り40試合程度の登板数で新人王を獲得することは極めて難しい.
当然のことではあるが,ここまで消化した40試合である程度の登板機会を得ている選手が有利であり,
シーズン通して働いたという観点でも規定投球回に近い投手が選出されるため,
この一軍既出場選手達を追い越すのは至難の業である.
野手についても同様である.
この段階からレギュラーを獲得し,残り80試合を出場し続けたとしても320打席前後.
規定打席(今年は372打席)だけ見れば既に及ばない状況だ.
爆発的な活躍で規定打席に届かずも100安打に到達する可能性は無きにしも非ずだが,
現実的なところを考えると投手よりも厳しくなるだろう.
このあたりを考慮したうえで有資格者の現状を確認したい.
2.新人王に近いのは誰?
前項の通り,ここからは今年一軍で出場経験のある選手のみで話を進める.
セ・リーグ
ここまでの40数試合で一軍に登録された有資格者は49名(現在抹消されている選手も含む)
先発として勝利を挙げているのは戸郷(巨人),森下(広島),岡野(中日),勝野(中日),吉田大喜(ヤクルト),坂本(DeNA)の6名.現状は4勝の戸郷が新人王候補筆頭であり,セ・リーグの新人王レースを引っ張る存在である.3勝の森下,2勝の岡野が追いかける形だ.仮に残り14試合先発で登板できた場合,半分勝利して二桁に到達できれば文句なしの新人王受賞だ.
リリーフとしてここまでホールドを獲得したのは清水(ヤクルト),長谷川(ヤクルト),寺島(ヤクルト),馬場(阪神)の4名.この中では勝ちパターンで投げている清水が21試合の登板でリーグ最多の14ホールドを獲得するなど断トツの成績である.このまま残り40試合を完走できれば新人王獲得も現実味を帯びてくる.
一方野手はレギュラーと呼べる選手がいないため非常に厳しい状況である.ここまで10安打以上放っているのが21安打のA.マルティネス(中日),15安打の北村(巨人)の2名しかいない.100安打はおろか,両者ともここまで2本塁打と二桁本塁打に乗せるのも難しくなってきた.まずは残り80試合でいかに早くスタメン定着できるか.
以上より,現時点で新人王獲得の大本命は戸郷,対抗となるのは森下・岡野・清水だろう.
パ・リーグ
ここまでの40数試合で一軍に登録された有資格者は50名(現在抹消されている選手も含む)
パ・リーグは新人王争いが混沌としている.
先発として勝利を挙げているのは與座(西武),河野(日本ハム),板東(ソフトバンク),中村稔(ロッテ)の4名.與座,河野,板東が2勝といまひとつ勝ち星が伸びてこない状況である.板東はオープナーでのロングリリーフがはまっているが,今後の起用法に注目したい.仮に残り14試合先発で登板できた場合,二桁勝利に到達する投手が出てくるかは微妙なところだ.ただ,二桁に届かずとも次のラインである8勝には迫ることは可能である.
リリーフとしてここまでホールドを獲得したのは平良(西武),宮川(西武),津留﨑(楽天),津森(ソフトバンク),泉(ソフトバンク),吉田凌(オリックス),福田俊(日本ハム),神戸(オリックス)の8名.この中では7ホールドの平良がトップ,宮川と泉が3ホールドと続く.先発投手の成績が振るわないだけに,重要な場面で投げ続けシーズントータルで防御率1点台を残すことができれば新人王獲得の可能性は高まる.
現在レギュラーとしてスタメン出場している野手は安田(ロッテ),小深田(楽天),鈴木将(西武)の3名.安田が28安打,小深田が27安打,鈴木将が26安打という状況だが,この3名以外に10安打以上放っているのは長期の離脱を余儀なくされた野村佑(日本ハム)のみ.野手の中から新人王が出るとすればこの3名からと言ってもいいだろう.スラッガー型の安田は本塁打3本とまずは二桁に乗せたいところ.アベレージ型の小深田と鈴木将はスタメン出場を継続できればここからの巻き返しで100安打&.270が期待できる.特に小深田は現在8盗塁と盗塁王も狙える位置につけており,足でもアピールできそうだ.
以上より,現時点で新人王獲得の大本命となる選手はいないが,與座・河野・板東・平良・安田・小深田の争いになるだろう.
3.当ブログにおける新人王レースの状況(8/11時点)
当ブログでは現在下記の基準を用いて選手の成績をポイント化し,
このポイントを日々積み上げていくことで誰が新人王に近い位置にいるか探っている.
※試合がある日は基本的に毎日ブログを更新しているため,
日々変動する新人王レースをチェックしたい方は是非覗いてみてほしい.
評価基準
-投手の場合-
①登板数:1pt ②投球イニング:2pt ③勝利:10pt ④ホールド:3pt ⑤セーブ:7pt
-野手の場合-
①安打:2pt ②本塁打:5pt ③打点:1pt ④盗塁:3pt
※投手は1回登板すれば1ptが入り,1アウトは0.3で算出
[例]先発投手→6回2/3を投げて勝ち投手となった場合,1pt+(6+0.6)×2pt+10pt=24.2pt
野手→4打数3安打1本塁打2打点1盗塁だった場合,3×2pt+5pt+2pt+3pt=16pt
上記のような項目を積み上げて評価するため,
防御率・打率が一般的に悪い数値でも上位にランクインされることがある.
これはあくまでも一軍での出場にフォーカスし,
年間通して活躍した選手を評価するためである.
最後に8/11までの累計ポイント上位10名を記載しておく(最新の試合についてまとめた記事はこちら).
セ・リーグ
累計ptトップ10115pt:戸郷翔征(巨人・2年目)
111.2pt:森下暢仁(広島・ルーキー)
107.6pt:清水昇(ヤクルト・2年目)
4位 82pt:岡野祐一郎(中日・ルーキー)
5位 76.8pt:長谷川宙輝(ヤクルト・育成出身)
6位 68.4pt:寺島成輝(ヤクルト・4年目)
7位 67pt:勝野昌慶(中日・2年目)
8位 66pt:馬場皐輔(阪神・3年目)
9位 62pt:A.マルティネス(中日・育成出身)
10位 50.6pt:吉田大喜(ヤクルト・ルーキー)
パ・リーグ
累計ptトップ1098pt:與座海人(西武・3年目)
92.6pt:河野竜生(日本ハム・ルーキー)
89pt:安田尚憲(ロッテ・3年目)
4位 88pt:小深田大翔(楽天・ルーキー)
5位 76.2pt:平良海馬(西武・3年目)
6位 67.8pt:板東湧梧(ソフトバンク・2年目)
7位 66pt:鈴木将平(西武・4年目)
8位 63.2pt:中村稔弥(ロッテ・2年目)
9位 56.4pt:宮川哲(西武・ルーキー)
10位 55.4pt:津留﨑大成(楽天・ルーキー)
おわりに
シーズンは1/3を消化.先発投手を除いて二軍に落ちないことも新人王獲得には重要であるため,年間通して一軍に帯同できるかはチェックしておきたいですね.今年のルーキーでは開幕からここまで登録抹消されることなく一軍に帯同しているのは小川一平(阪神),宮川哲(西武),津森宥紀(ソフトバン),小深田大翔(楽天),佐藤都志也(ロッテ)の5名となりました.即戦力ルーキー達の活躍に期待です.