どうも.tk89naviです.
前回に続き新人王予想をやっていきますが,絞り込みやすい野手から先にいきます.
前回の記事(-総合編-)にて2020年の新人王を獲得する可能性が高い野手として以下の41名を挙げました.
本記事ではここから更に絞り込んでいきます.
※以下,敬称略

目次
野手の新人王候補41名から○○名まで絞り込む
1.野手の受賞にはレギュラー獲得が必須
前回記事の冒頭にも記載したが,野手が新人王受賞するための成績の目安は打率.270前後である.打率.270に届かない場合でも田中和基(楽天)ように18本塁打を放ったり,京田陽太(中日)のように23盗塁するなど,パワーやスピードでカバーできる.しかしながら,これらを達成するためには当然のことながら試合に出続ける必要があり,いち早く一軍に定着し,レギュラーを獲ることが目先の目標となる.数字にして100試合出場,400打席は欲しいところだが,野手の場合50試合ほど消化してしまっている6月頃から一軍に呼ばれても遅い場合があり,最低限5月中に出てこれないようであれば受賞は厳しくなる.そして最も重要にになってくるのが一軍のポジションの空き具合である.二軍で結果を残して一軍に呼ばれたとしても自分のポジションが空いてなければ打席数を稼げない.ライバルとなる選手が誰で次点には誰が控えているのかによって一軍でレギュラーを獲れることもあれば年間二軍暮らしの可能性もある.よってチーム毎に状況が異なるため,まずは昨年の成績を参考に来季の戦力を洗い出してみる.
2020年 セ・リーグ野手の戦力と競争ポジション

上記の表は2019年シーズンに一軍で「100試合以上出場した」または「300打席立った」選手,更にこの条件に当てはまらないが今季戦力となりそうな外国人選手(青塗は新外国人選手)をポジション別にまとめたものである.上段は昨年規定打席に到達した選手(黄色塗)または400打席以上立った選手(緑塗)またはスタメン起用の優先度が高くなる外国人選手で,今季一軍でレギュラーの可能性が高い選手である.下段には2番手となり得る選手を挙げた.ポイントをまとめると下記である.
ポイント
- 前年規定打席に到達した選手は翌年も引き続きレギュラーで開幕から出場する可能性が高い(ここで怪我は考慮しない)
- 前年固定できなかったポジションには新戦力が起用されるケースが多く,開幕から定着する可能性が高くなる
- 外国人選手(特に新外国人選手)は起用される優先度が高くなる
この3点を考慮すると,各チームの競争ポジション(網掛部分)が見えてくる.ここから候補選手の中で競争ポジションを守る可能性がある選手を残し,それ以外の選手を除外する.まずは新人王候補選手の2019年に守った実績のあるポジションをまとめる.

この結果,2020年の競争ポジションを守った実績のある候補(ルーキーは登録ポジション)は17名中12名.外野一本の巨人・松原と阪神・島田,中日・渡辺勝はこの時点でチームの戦力が充実していることから除外.中日の高松と石垣についても,チームの内野4つのポジションが全て固定されており,全員が規定打席に到達するなどハイレベル.2番手としてスーパーサブの便利屋・堂上直が控えるなど,ここに入る余地はないと予想し除外する.
2020年 パ・リーグ野手の戦力と競争ポジション

セ・リーグと同じ要領でパ・リーグの2020年戦力表をまとめる.セ・リーグより競争ポジションが少ないが,パ・リーグにはDHがある.基本は外国人枠となってしまうが,打撃専門の制度であり誰でもDHに入れることができる.打撃の好不調によってすぐに入れ替えることができるため,場合よっては内野外野の選手が入ることもある.このDH制度によってシーズン序盤から流動的になる可能性もあるが,ここでは内野外野の選手がDHに入りそのポジションが空くことは考慮しない.続いて新人王候補選手の2019年に守った実績のあるポジションをまとめる.

この結果,2020年の競争ポジションを守った実績のある候補(ルーキーは登録ポジション)は24名中13名.昨年優勝の西武からは6名の候補を挙げていたが全員除外.秋山翔吾の抜けた穴は大きく,外野手にはチャンスが回ってきそうだが,センターには金子侑が入り,新外国人のスパンジェンバーグがレフトに起用されると予想している.楽天のドラ1・小深田は大卒社会人出身であり期待度も高く一軍起用される確率は非常に高いが,浅村・茂木の二遊間に加え三塁にもウィーラー,FAで鈴木大地を獲得するなど定着は難しい.ロッテ・安田は二軍で本塁打王(19本)を獲得するなど首脳陣も一軍で起用したくなるような抜群の成績を残しており今年の飛躍が期待されるが,生憎メインポジションの三塁にはレアードがおり,この高い壁に阻まれると予想.日ハムの外野陣もスピード系の西川,アベレージ系の近藤,パワー系の大田と多様な人材が揃っていることから新人・片岡,2年目・万波を除外.4年目・今井は二軍で二桁本塁打を放っているが,一塁には中田,競争ポジションだった三塁にはビヤヌエバが入りそうだ.
2.競争ポジションを勝ち取れるか
ここまで残ったのはセ・リーグ12名,パ・リーグ13名の25名.上記にて空いた競争ポジションを守る可能性の有無で絞り込んだが,ここからは彼らが競争ポジションを勝ち取り,レギュラーを掴む可能性を探っていく.基本的な焦点としては競争ポジションの2番手にどんな選手が控えているのかに注目する.
セ・リーグ
巨人候補選手リスト
増田大輝(内野手),北村拓己(内野手),加藤脩平(外野手),山下航汰(外野手)
競争ポジションは二塁と一塁.二塁は吉川尚・田中俊・若林・山本泰などがひしめき合う大混戦.増田大や北村にも出場機会が与えられるだろうがレギュラー獲得は困難か.一塁の最有力は大城としているがここも流動的になりそうである.昨年二軍で圧倒的な成績を残した山下は試してみたい選手の一人.二軍で一塁経験のある北村や加藤にもチャンスがあるが.
DeNA候補選手リスト
伊藤裕季也(内野手),宮本秀明(外野手),蝦名達夫(外野手)
競争ポジションは二塁と外野.二塁は攻撃的なフォーメーションでソトを起用しなければ伊藤裕が絡んでくる可能性は非常に高くなる.外野は筒香が抜けた残る一枠を佐野を筆頭に右打者の桑原や細川,左打者の梶谷や乙坂など大人数で争う.新外国人のオースティンの外野起用もあるかもしれない.そんな中でドラ6ルーキーの蝦名や宮本がスタメンを勝ち取るのは厳しい.
阪神候補選手リスト
熊谷敬宥(内野手
競争ポジションは固定しきれなかった遊撃.とは言っても昨年新人で390打席に立った木浪が筆頭.2番手には北條が控えるなど熊谷にとっては高い壁になる.
広島候補選手リスト
羽月隆太郎(内野手),宇草孔基(外野手)
競争ポジションは一塁,三塁,遊撃,外野.内野陣では菊池の残留が大きい.遊撃では不振の田中広にかわって小園が多くの経験を積んだ.その小園と同期の羽月は昨年二軍で打率3割を記録し今季中の一軍デビューに期待がかかる.二軍でのメインポジションは二塁だが,状況によっては遊撃等他のポジションで試すことも考えられる.それでもまだ育成途中で伸び代に期待の選手であり,一軍定着となるとハードルが高い.鈴木誠・西川龍・野間で回した外野陣.規定打席以上の二人は高い打撃水準を保っているが,野間は打率・本塁打・打点・盗塁などで前年を下回るなど綻びが出た.野間の対抗馬として長野がいるが,ドラ2で入団と評価の高い宇草も早期に出場機会が得られる可能性は十分にある.
ヤクルト候補選手リスト
吉田大成(内野手),濱田太貴(外野手)
競争ポジションは三塁と外野.昨年新人王の村上は三塁再挑戦との報道がある.空いた一塁には坂口・廣岡・荒木など多様なプランが考えられるが,村上は一塁で落ち着くと予想.遊撃には新外国人のエスコバーを据えて最下位からの巻き返しを図る.内野のユーティリティプレーヤーである吉田大はバックアップとして途中出場の機会が増えそうである.それでも太田や奥村,藤井亮といった左打ちの同タイプの選手が多いことから,置かれている状況としては厳しい.高齢化が進む不動の外野陣からバレンティンが移籍.アピール合戦の中でスタメンを勝ち取るのは二軍で無双中の塩見か,俊足巧打の山崎か,はたまた中山か.有望な選手が多数在籍する中で高卒2年目の濱田にも出場機会はありそう.一軍での結果がいまひとつの選手が多いため,濱田が定着する可能性は捨てきれない.
パ・リーグ
ソフトバンク候補選手リスト
増田珠(内野手),三森大貴(内野手),佐藤直樹(外野手),柳町達(外野手)
競争ポジションは外野.新加入のバレンティンとグラシアルはスタメンが濃厚.一塁,DHとの兼ね合いもあり,外野手は固定されにくいチーム事情があるが,戦力表に示していないメンバーが強力だ.5億プレーヤーの柳田に実力者の中村晃,実績のある若手の上林に昨年大きく経験を積んだ育成上がりの釜元など12球団随一の層の厚さを誇る.候補選手の4名(特にドラ1・佐藤直)も出場するチャンスはありそうだが定着は厳しい.基本は二軍で経験を積ませる方針となりそうだ.
楽天候補選手リスト
小郷裕哉(外野手)
競争ポジションは外野.昨年二桁本塁打を放った島内とブラッシュ,3人目は高い身体能力を誇る辰己が期待されている.オコエや田中和なども虎視眈々と狙っているが昨年の成績が優れず,小郷も十分にライバルになり得る存在である.
ロッテ候補選手リスト
福田光輝(内野手),松田進(内野手),茶谷健太(内野手),髙部瑛斗(外野手),三家和真(外野手)
競争ポジションは遊撃と外野.特に遊撃は100試合出場した選手もいなければ300打席立った選手もいない大混戦.ベースは藤岡裕,平沢,三木の3名だが打撃が壊滅的である.候補選手として遊撃を守れる福田光,松田,茶谷を挙げたが,3名とも一軍出場の可能性がある.特に茶谷は二軍で.270以上をマークするなど打力のある遊撃レギュラー.しかし一軍定着となると最も近いのは昨年一軍を経験している松田と予想し,他2名を除外する.外野も混戦で荻野を筆頭に角中・清田といるが,その下(2番手)がおらず若手の台頭が待たれる状況.FAで福田秀を獲得したが,ドラ3ルーキー・高部,育成出身・三家ともにチャンスがある.
オリックス候補選手リスト
勝俣翔貴(内野手),太田椋(内野手),宜保翔(内野手)
昨年最下位のオリックスは規定打席に到達したのが福田と吉田正の2名だけ.新外国人2名を補強したがそれでも野手陣はスカスカ.勝俣は三塁として,高卒2年目だが太田と宜保(二軍でのメインポジションは二塁だが)は遊撃として大いにチャンスが転がっている.
3.絞り込みまとめ
ここまで絞り込んできた結果をまとめる.
セ・リーグ
巨人:北村拓己(3年目・内野手),加藤脩平(育成出身・外野手),山下航汰(育成出身・外野手)
DeNA:伊藤裕季也(2年目・内野手)
広島:宇草孔基(ルーキー・外野手)
ヤク:濱田大貴(2年目・外野手)
パ・リーグ
楽天:小郷裕哉(2年目・外野手)
千葉:松田進(2年目・内野手),髙部瑛斗(ルーキー・外野手),三家和真(育成出身・外野手)
オリ:勝俣翔貴(ルーキー・内野手),太田椋(2年目・内野手),宜保翔(2年目・内野手)
以上より,
当初の41名からセ・リーグ6名,パ・リーグ7名の13名まで絞り込んだ
今回はここまで.投手編もお楽しみ.
次回に続く...